◎Bagan 通信  第20回 ― バガンの真骨頂

明けましておめでとうございます。  昨年はNHKスペシャルでバガンが取り上げられるなど、バガン観光幕開けの年となりました。

目次

     明けましておめでとうございます。
     昨年はNHKスペシャルでバガンが取り上げられるなど、バガン観光幕開けの年となりました。今年も現地の生の情報を発信していきたいと思っております。
     バガンの良さはなんですか?とよく聞かれます。いろいろな魅力があると思うのですが、お客さんの感想を聞いてますと、素朴
    な観光地であることがいちばんのような気がします。バガンで生活する外人の私にとって、バガンは相当純度の高いところです。何の純度かといいますと、人間の質朴さだと思います。もともと千年もの間涅槃のことしか眼中になかった人々ですので当たり前なのですが、先日の洪水のときもバガンの寄付の集まり方は尋常ではなかったです。
     ちょろちょろっと街宣カーで、「洪水で中洲の村がやられてまーす」と言っただけで、びっくりするような額が一般のバガンの民の募金で集まってました。集まりすぎて使い切れなくなる可能性があるからと、募った方が2日間で募金を終了したぐらいですから。庶民の生活レベルを考えますと、少ない貯金をはたいて多くの人が寄付したのだと思います。
     一事が万事、バガンはそんな感じで清貧な
    人生を送る人が多いです。私なんかがちょっと本を読んで影響されるのとはわけが違い、 「他人に施すことで己に返ってくる」という時代劇的な純粋さが骨身にしみているのです。
     清貧を心がけるというのではなくて、清貧なんです(笑)。困った人がいたら助けるのが当然なんですね。そういう意味では、バガンは長い間幸せをやさしさで体現してきた人
    々、ラストフロンティアじゃなくて本当はラストユートピアなのかもしれません。
     今後経済発展とともに、物質的な豊かさに価値観の重点が移っていき、心の、特に仏教的な価値観が薄れていくというのは歴史が証明しています。ミャンマーの経済成長に期待し進出する各国やその企業には、成長に伴うひずみや数多くの問題を生じさせている先進国の反省を踏まえ、植民地的に事業拡大を計るのではなく、これまであったミャンマーの心の豊かさを失わせずに、本当の意味でこの国に還元できる共利共生の方法を目指すべきだと強く感じます。とともに、上座部仏教に対する人々の信仰が継続されるようサポートすることも、外人である我々に必要なことなのではないでしょうか。なんといっても千年ぶれずに続いてきたものです。それを変えてしまうのは、パルミラ遺跡を破壊しようとする行為に等しいのです。

    Tags
    Show More