◎導|A Leader's  谷 恭子 Kyoko Tani(ジュエリーデザイナー)/「Culumtioクルムティオ株式会社」代表取締役

足を棒にして見つけ出した路面店のオープン 信頼は良い素材の仕入れと鑑識眼にかかる

前回はヤンゴンへ息子と2人でやってきて、ビジネスを立ち上げるまでの苦労話を聞いていただきました。今回は昨年10月に、オフィスのすぐ目の前のBagayarRdに、待望の路面店をオープンできましたので、日々仕事の中で起きた話を中心に書いてみます。  ひと口にお店といっても、ヤンゴンで希望に合った店舗を探すのは大変でした。できればオフィスに近く、自分の思い描くイメージの内装にできるか、あるいは家賃の問題など、理想の物件にはなかなか巡り合えず、本当に足を棒のようにして今の物件を見つけ出しました。それでも工事が遅れ気味で、予定通りには進みません。内装もイメージ通りにはならず、ストレスのたまる毎日でした。でも何とか開店にこぎつけたときは、正直ホッとしました。沢山の在住邦人の方々がお祝いに駆け付けてくれました。「石の上にも3年」とよく言いますが、ヤンゴンに来て2年半でお店を持つことができたのですから、まず最初の目標をクリアした気分になりました。

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お店ができたら次はスタッフです。現在6人いますが、スタッフに対して心がけていることは、絶対に日本式一辺倒にしないこと。価値観や仕事に対する温度差が異なりますから、日緬時々、名も告げずに仕入れ先などのことを尋ねてくる方がいますが、これは絶対に企業秘密で誰にも教えられません。   例えば、現在日本や世界的に人気が上昇中の南洋真珠、いわゆるゴールデンパールというミャンマー特産の素晴らしい真珠があります。厚い真珠層の奥から放つ天然の光沢は、宝石の女王とよばれるにふさわしい輝きです。他の真珠に比べて真珠層が厚く11~18ミリと、他の真珠を圧倒する大きさをもち、養殖期間が平均2年というのも、真珠層を厚巻きにしている理由です。南洋真珠が大きいサイズでも色とテリがよいのはこの巻きの厚さにあります。母貝である白蝶貝による真珠養殖の研究は1950年代から始まっています。もちろん品質が同じであれば、大きいものほど値段は高くなりますが、今、クルムテイオにも、この真珠をモチーフにしたジュエリーのオーダーが沢山来ています。それだけに仕れは大変ですし、本当に気を遣います。の両方のスタイルで従業員教育をしています。お金だけあげてもダメ。家族だと思って接し、クルムテイオで働くプライドをもってもらいます。だから、まず入社したら、「パスポートをとりなさい」と言います。将来、日本へ行く機会があるかも知れないのよ、と大きな目標を持たせるようにします。それでも辞めてしまう人がいるのですから、これは仕方がないですね。

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仕事が軌道に乗りはじめて重要になってくるのは、やはり、クルムティオへの信頼感でしょう。良い素材で素敵にデザインを施したジュエリーをできるだけ安くお客様に提供したいと考えています。だから、そうした期待に応えるにはプレッシャーを相当感じますが、それには2つのことが重要だと考えています。  一つ目はなんといっても仕入れの問題です。 こうした仕入れの際に大事なのは宝石の鑑識眼です。いわゆる鑑定する力です。昨年日本でこの宝石鑑定の技術アップと資格をとるために、テストをうけて挑戦してきました。  今年も、もう一つの宝石の資格をとるため に、毎日10個の研究材料の宝石を鑑別して、猛トレーニングしています。また、日本では都内 でジュエリーカフェをオープンしたいという夢をもって邁進しています。日緬両国でジュエリーの仕事ができるのは本当に幸せです。日々忙しくなりますが、9歳になる息子も頑張ってくれています。私が面倒を見てあげられないときは、自分でおにぎりを作って食べていることもあるそうです。それだけに私もさらに努力していかなければと思っています。(続く)

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