◎Bagan 通信  第21回 - バガンの未来(1) 雇用の創出というまじない

バガンはミャンマー随一の観光地であり、新政府になったミャンマーとしても観光収入の中心に位置づけています。

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     バガンはミャンマー随一の観光地であり、新政府になったミャンマーとしても観光収入の中心に位置づけています。
     また現在進行中のJICAによる“地域観光開発のためのパイロットモデル構築プロジェクト”においても観光開発のガイドラインづくりを策定し、前ラオスプロジェクトと同様ミャンマー観光のけん引役を担うことになりそうです。
     この中で度々でてくる言葉に「地元住民への裨益」というものがあります。
     観光発展によって地元に還元するということでしょうが、バガンの場合には他国と同じではないように思えます。
     なぜならバガンの人たちは貧しくないからです。
     貧しくないというと誤解を招きますが、ゴマや豆しか取れない枯れた乾燥地帯にありながら、飢えて困るという状態にはありません。
     お寺を中心とした互助システムができあがっているからです。何度も書いたように災害などで苦しんでいる人が出たときの募金の集まり方は尋常ではありません。また清貧の精神が染みついているので、カネはあればなおよい、でもなくともまあよい。という楽観的な考え方で生きているわけです。
    私から見ると幸せ度数はかなり高めだと思います。
     そんな人々にとって、涅槃への道は別として、いちばん大事なことは「家族や子どもたちが今までどおり暮らしていく」ということです。
     もう既にバガンの土地は高騰し、庶民の収入では家が持てない状態になっています。
     これは先に観光地化したアンコールワットのあるシェムリアップでも起こっている現象です。 お金は要らないけど住む場所がない。こんなことではいけないのではないでしょうか?
     観光発展による最大の貢献と期待される「雇用創出」ですが、貢献というものを地元の人の目線で考えるなら、子どもが将来にわたって住む土地を確保し供給する、ということがいちばんではないかと思います。
     グローバルな世の中になったいま、就労先はどこだって構わないのです。
     でも生まれ育った土地で末永く暮らしたいと思う人にとって、何より大切なのはバガンの空の青さが毎日見られることだと思うのです。

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