◎ロンジー特集 ミャンマーの「ロンジー」って、一体何だろう。 外国人が知らないこの伝統衣装の奥深さを紹介

民主化の影響か、洋装の若者が増えて来たものの、ミャンマーの「ロンジー」は、依然、この国の伝統民族衣装としての尊厳を持ち、中年世代以上は絶対的に心服している。しかし、我々外国人には、暑い季節でも風通しが良く、雨期でも手軽に選択できるこの衣装は、実用的で合理的に映る。そこで、知ってるようで知らない「ロンジー」について、伝統衣装の著名なデザイナーのアドバイスを交え、弊紙がもう一度検証した。

目次

新進気鋭のファッションリーダーに 伝統衣装について話をうかがう

Thet Hnin Ayeさん 「DōZo Fashion Design Technical School」 副校長兼チーフデザイナー

Q 日本の着物は親から子へ代々受け継いだりするが、ロンジーはどうか。
A 「タミー」も着物のように母から娘へ受け継がれることがあります。しかし、ボディラインや体型に大きく左右されるので、やはりオーダーメイドが一番です。上下とも身体の線にそったスタイルが美しいとされ、ほとんどの人は仕立店でオーダーするようです。
Q 日本人にお薦めの生地はありますか。
A 私は2年間日本に留学しましたが、日本人はモダンなファッションを好む傾向があると思います。そうした方々にお薦めしたいのが、チン州とカチン州の木綿でできた「ロンジー」ですね。この2つの州で作られる木綿の「ロンジー」は上質であり、デザイン的にもお洒落で、ミャンマーでも全国的に人気があるようです。
Q 「ロンジー」を着用しない世代が増えているようですが、「ロンジー」は
  今後もミャンマーでは民族衣装として継承されていきますか。
A もちろん、そうだと思います。敬虔な仏教徒がパゴダを訪れる際には欠かせない衣装でもあるし、現代のファッションとの融合性もあるからです。特に女性が着る「タミー」はドレスにアレンジしたり、ブラウスにアクセサリーを付けたりと、応用の幅が広いんですよ。

実際にロンジーを仕立てるにはどうするか

今回、取材協力をいただいたのは、伝統衣装からミャンマーコーヒーまで、全国の土産物を揃える「MyanHouse」。「ロンジー」の生地選びから仕立てまでを一貫して取り扱う店だ。男性用の「パソー」は注文から約1時間程度でオーダーできるが、「タミー」の場合は早くても翌日以降の受け渡しになるそうだ。
MyanHouse
No.56/58/60, Pansodan St. (Lower Block), Kyauktada Tsp, Yangon 拡大図E8
09-7316-9056, 01-376943

【ロンジーとは一体何か?】

●男女の違いはあるのか
 ミャンマーでは、腰に巻く布を総称して「ロンジー」(Lon Gyi)という。その中でも男性用がが「パソー」(Pa Soe)、女性用はが「タミー」(Hta Mi)と呼称する。約縦2メートル、横80cmの1枚の生地で作られ、「パソー」はチューブ状に、「タミー」は長方形をしている。「パソー」は縦線、無地、チェック柄などが多く、上下逆に着ても模様は違わない。一方「タミー」は腰部分に長さ約10センチのアテッシン(A Htet Sin)という黒い生地がついているため、上下反対には着れない。

●素材はどうなっているのか
 主に木綿素材が大半だが、冠婚、セレモニーなどの式典では、シルク地の「ロンジー」が正装として着用され習慣だ(トップの写真は結婚式で着用されるロンジー)。色とデザインはどうなっているのか職業や在籍する組織によって色が明確に分かれている。例えば赤は看護師、緑は学校の生徒や教師といった具合だ。また、135の民族が暮らすミャンマーでは、それぞれの民族の習慣やその地方の気候などにより、生地、着用方法、色、デザインが異なってくる。自分の出身地のデザインを大切にするため、「ロンジー」と「ルェーエッ」(カバン)の模様やデザインを見れば、どの地方の出身者か判断できるといわれるが、現実的には、「ロンジー」のみで見分けるのは至難の業だ。傾向としてミャンマー北部の地域では色鮮やかな、中部以南では淡いパステルカラーのものが好まれているようだ。ヤンゴンやマンダレーといった大都市部では、様々な民族の衣装を着用し、現代のファッションに合わせて着こなす者も増えてきているそうだ。

●機能面ではそのような利点があるのか
 「ロンジー」は洗濯が容易で、アイロンの手間もかからない。また、重いものを肩や背中に乗せるときには、パッドとしても使用するという。「ロンジー」を巻いて頭に載せ、荷物や鍋、燃料などを運ぶときにも使うことができるという。

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