◎今月の視点 理不尽な主張を排除し、外国人が安心して住める国へ

雨期の真っ只中になった。朝方に少々晴れ間が覗き、昼前からどんよりとした厚い雲が街をおおい、断続的にスコールをもたらす例年通りのパターンに落ち着いた。

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本格的雨期のパターンが定着化 水没地域を避けるのにほと苦労

雨期の真っ只中になった。朝方に少々晴れ間が覗き、昼前からどんよりとした厚い雲が街をおおい、断続的にスコールをもたらす例年通りのパターンに落ち着いた。
 この雨期のシーズン、温度的には日本より涼しいが湿度が高く、カビや食材の保存には気を遣う。しかし、街を往く人々を見ていると、ミャンマー人は概して雨が嫌いではなさそうだ。威勢のいい若者はずぶ濡れになっても意に介さず元気一杯だ。女性も雨傘の用意は周到で、カラフルなロンジー衣装で雨中の街をよそよそと歩く姿は一幅の絵のようだ。
 そこへ行くと我々日本人はどうもスカッとした気分になれない。外出も少し躊躇するし、雨傘を忘れたりすると、やはり不安になる。しかも走行中の車内から道路に水があふれ、やや水没しつつある光景を目撃すると、革靴で外に出たことを後悔する。ヤンゴンは意外に高低差がある場所が多く、「ジャパンオンラインショップ」様でいただいた「ヤンゴン水没マップ」が重宝している。

入居時の住まいのチェックが重要に 自己中心になりがちな大家さん

街中の雨なら何とか自衛策を講じることができるが、住まいの中で大雨に見舞われると、なす術もない状況になる場合が多々ある。1階なら床下床上浸水が怖い。当方の知り合いがこれで困って泣きが入った。かくいう当方の住む上階でも強い風雨だと、サッシや壁の隙間から雨水が入り込み、唖然としたことが何度もある。
 ヤンゴンでは住宅やオフィスの賃料の高さばかりに目が行きがちだが、建て付けや配管、電気系統の不具合にまで柴細にチェックすることがどうしてもおろそかになる。というより現実的には不可能で、入居契約時に仲介会社か大家さんを通して一応不備はないか確認はするが、少なくとも大家さんはご自分に不利になるようなことは言わないケースが多い。
 4年ほど前にダウンタウンのローカルのアパートに入居した当方は、広くて家賃も適正だったので上機嫌でいたが、1週間もしないうちにシャワーの出が悪くなり、そしてメインのエアコンから水が滴り落ちるようになってきた。当然大家さんにクレームをつけたが、契約時には品のいい婦人に見えた華僑系の彼女が豹変した。
 いわく「入居したときは何も異常はなかったでしょ」と、あたかもこちらが壊したかのような口調で逆に叱責された。むろん当方には身に憶えがないことで、入居1週間でエアコンが壊れること自体おかしいではないかと反論したが、先方様は一切聞く耳を持たず、自分に非はないの1点張りだった。仕方なしに仲介したローカルの不動産屋さんに文句を言ったが、彼らもオーナーさんに気を遣って何も言えない。それどころか、入居後のトラブルは居住者の責任みたいなニュアンスの驚くべきことを言った。
 当方は「日本なら、こういう場合
は、、、、」と喉元まで出かかったが、無駄な比較論はやめた。言ったところで自己満足しかならず、この先責任のなすり合いになるのが目に見えていたので、抗議もこの時点でやめた。そしてここに居て何か再びトラブルが生じても、またこちらのせいにされてラチがあかぬと踏んだので、即刻引っ越しを決断した。しかしスッタもんだの挙句、最終的に前納した1年分の家賃の3か月分を引かれた。「あなたの都合で出るのだから、本当は全額返す必要がない」という捨てゼリフまで吐かれた。

まだ一部に世界の非常識がまかり通る 筋に通らぬ主張は社会が容認せずに

もちろん、一般の多くのミャンマー人はこんな理不尽なことを主張したりはしない。それどころか、更新時に家賃も上げずに親身になって面倒を見てくれる大家さんも、私の周りにはいる。問題の核心は、こうした世界の非常識ともいうべき考え方が、一部には常識化している社会慣習にあるのではないか。家賃にしてもお隣さんがいくらにしたからうちも、というあまり説特力のない理由を根拠にする。中古自動車の売買価格も近隣の情報を仕入れて値付けをする。
 しかし、今、現政権が様々な法的規制を緩和する方向で施策を練り、外国人への投資、ビジネス環境をさらに整え、門戸を開放してきているこの国の現状を見ると、一部の強欲な人々が目先の私利私欲に走って醜悪な態度を繰り返していたら、いつか必ずしっぺ返しが来る。少なくとも厳格な司法制度が確立されていけば、この人達の主張はみな退けられるに違いないし、またそうならなければ外国人は安心してこの国に住めない。
 「正義感をもて」なんて大げさなことは言わぬが、こうした筋の通らぬことを続ける輩が後を絶たない限り、外国人は胸襟を開くことに一抹の不安を感じる。となると本気でパートナーシップを組むことはできなくなる。これがこの国にとってどれほどのマイナスになるか、もうわかっていただきたい。
 少なくとも、あのローカルアパートオーナーのご婦人のような自己中心的な思考は、途上国であろうが、社会が絶対に容認してはいけない。

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