第4回 新連載「ミャンマーの民族」「カチン族」Ka Chin Part - 2 万物に伝わる自然の素材の中に占いの法則が残る 今なお、数多く伝承されるカチン族の占いや迷信

カチン族の間では何か事が起きれば「神に占ってもらう」という。神に占ってもらうことは、言い換えすれば占い師に相談することになるそうだ。占い師は口にすべき食べ物からどのような神を供養礼拝すべきかを、事細かく指導、指示するという。

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前号では、カチン族の逸話や地球創造主、人間の誕生、地球の滅亡や妖術師または魔法使いの誕生などの伝説を中心に紹介した。今回種々の占いや不思議な予言などをお伝えしてみよう。

カチン族の間では何か事が起きれば「神に占ってもらう」という。神に占ってもらうことは、言い換えすれば占い師に相談することになるそうだ。占い師は口にすべき食べ物からどのような神を供養礼拝すべきかを、事細かく指導、指示するという。
占い用具である草、石、竹、小木や卵などを神棚に置いて、解決したい事を「Fan Nin San Kyal Nin Kyan が 明らかに判断してください。」と唱えながらまず相談者が納得してくれそうな神に祈る。
 病人を実際に回復させた神なら「欲しいものをおっしゃってください」と尋ねるという。すると、神は 神棚に置いた占い用 の草、石、竹、小木などの中から占い師に選ばせる。その選んだものによる占い法則に沿って、予言がおこなわれるそうだ。その具体的な法則は、以下に記したとおりだ。

草占い

陸地に生える草の一種を使う。草の茎の筋は互いに重複されないでしま模様が現れる。占い師は草をその模様のとおりに、一本の筋になるように結ぶ。予言はその括りを再度解いて互いに絡みあった筋の本数を数えて予言する方法だ。

石占い

こぶしぐらいの石を使って予言する占いだ。カチン族には伝統的に継承されている。石が予言できると信じられている。
 占い師は神棚に置いた石をロープの端に結び、ロープの端を手に持って振り子のように 前後左右に振ることで、どのような神かまた どのような物で供養すべきかを占うという。

竹弾け占い

山岳地帯に生えるとても薄い竹を現地の言葉「Ka Htan」と呼ぶが、占い師は神棚に置いたその竹一部を取り、火にあぶり竹がなった状態で筋を調べる。占い師は、その筋を見ながら相談者の質問に対応して予言するという。

夢前兆

そのほか、「夢の前兆」という方法が用いられる。見た夢の判断を予言することだが、その判断をお年寄りだけに任せることもあるそうだ。夢の中で木の折れ、日の入り、家の後ろに人が集まる夢はいい夢だとされている。
また牛の群れや奴隷、果物、花がいっぱい咲いている木、笹竹、イノシシの群れ、石の 積み重ねなどの夢は、家族が増え、財産なども増えていくという。また、烏の群れ、蜂の巣などの夢は、経済が上向きになる前兆だという。

お守り

カチンの人々は、伝統的にお守りを持っているそうだ。落雷にあった所から拾った凝固物は防火のお守りに用いられる。「その 凝固物があるところへは火の手がいかない」という信仰があるという。お産で苦労している妊産婦の頭にその凝固物を置いたら、苦も無なく出産できると信じられてる。

Ma Naw

刀を鞘(さや)から抜く事ことも安産になるそうだ。またイノシシの牙をお守りとして身に つけていたら、刀、槍、銃などの凶器に免疫性が出て、これらの武器に対して神通力が生まれるという誠しやかな伝説もあるそうだ。
カチン「Ma Naw」祭りは、州に住む民族が有名な伝統祭りとして行う。この祭りには家族総出で行う祭りと、大勢の人が参加して勝利の宴を行う「Ma Naw」祭りなどと野2種類ある。
 家族祭りは、その家直伝の神様を供養することだけでなく、血縁者や友人たちも招待して名誉として行う祭りだという。三年置きに一回または関係する家族の都合のいいときに行われるという。
 大勢の人が参加する祭りは、長老たちが指導し開催するという。日本の占領時代が終わ ったことを記念して、勝利の宴を行う「Ma Dan Ma Naw」 という祭りを1946年に時の政府が開催してから、今日まで続いているという。
 こうしてみると、カチン族の信仰、占いに対する依存度は強いようだ。次号ではカヤー族の伝統、信仰、習慣などを紹介していく予定だ。

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