顔・人│VIP インタビュー Kyi Kyi Win Shwe チチ・ウィン・シュエさん Bright & Right International CoLtd. Managing Director, Kyi Kyi‘s House Founder

一代で成功した女性実業家が起こした社会貢献事業が大反響 不幸な女性たちの自立支援のための女性専用ホステルを創設 今年、既婚者を対象にした「ミセス・コンテスト」で優勝した。40歳になっても衰えぬその美貌に比例するように、従業員100人を束ねるこの女性実業家の心も純粋で美しかった。不幸な女性支援に私財を投じて立ち上がった彼女の行動に世界のメディアが注目した。

目次

ミセスコンの優勝書は成功を 遂げた女性実業家

 2011年の民政移管以降、ミャンマー女性の社会進出が目覚ましく、華やかな表舞台に登場する機会が増えた。2012年に約60年ぶりにミスコンに代表として出場したNang Khin Zay Yarさんを皮切りに、今や世界3大ミスコンを始め、大小様々の大会にミャンマーは代表を送り出している。
 今回紹介するチチさんは、今年7月にヤンゴンで行われた「Mrs Elegant Myanmar」で優勝した女性実業家である。むろん「Mrs」とつくからには既婚者のミセスコンである。現在ご主人と2人のお子さんと幸せな家庭を築いている主婦でもあるが、一方では従業員100名を超す化粧品、健康食品を中心とした販売会社の社長としてもらつ腕を振るうビジネスウーマンなのだ。
 「コンテストは友人のビューティ―・コーディネーターのHlaNweさんの勧めで出場しました。化粧品などの商品を扱う会社のトップは、自ら美しさを追求し、努力しなければならない、というアドバイスに心を動かされました。」

 チチさんは今から8年前、32歳の時に起業した。最初は韓国製のスキンケア商品の販売会社としてスタートした。
 「ミャンマーでも女性たちの美への願望が高まってきていました。それで韓国へいき、実際に自分の目で確認、体感して販売を始めました。この製品は厳しい市場の日本でも販売されていましたから信頼していました。それからインドの健康補助食品やビタミン剤などを輸入し、次第にビジネスは軌道に乗り始めました。今では扱う品目は90製品にもなっています。」
 事業は成功した。女性ならではのきめ細かい経営方針が浸透し、右腕、左腕と言われる優秀なマネージャーも育っていった。
 「3人のマネージャーがいるので助かります。この国ではすぐ辞めてしまう人が多いのですが、この人たちはもう5年も頑張ってくれているんですよ。」
 それでも国内に支店や販売拠点が増えるにつれ、チチさんが自ら出向いて販売指導や叱咤激励する機会が増した。
 「やはり私が行かないと士気が上がらない場合が多いのです。全体で100人を超すスタッフたちを束ねていくのは大変ですが、やりがいはありますよ。」

女性への保守的な偏見を 打ち破る思いで

 チチさんは南部タニンダリー管区のダウエイの生まれで、16歳の時にヤンゴンに上京した。
 「スポーツが好きで、水泳をやっていましたから施設の多いヤンゴンに来ました。それから大学に入り、卒業後にタイの大学で経営学を学び、MBAを取得しました。ビジネスに興味がありましたから。」
 大変な努力家である。ヤンゴンに戻ってからはいくつかの会社に勤めたが、彼女の能力を生かせる職場はなかった。それならと思い、結婚を契機に起業したという。
 「この国には25歳を過ぎて未婚だと『結婚していないのはおかしい』と、世間からあれこれ言われる場合が多い。女性は家庭を守るべきという古くからの観念も、まだ根強く残っています。結婚したら主婦に専念し、外に出ていく必要は無い。子どもができたら子育てに責任を持つだけでよいという風潮もあります。」

 チチさんはこのミャンマーの保守的な習慣に疑問を呈する一人だった。この考え方はおかしい、もう古い慣習を捨て、女性たちも積極的に社会進出を果たすべきだと思っていた。その理念に沿ったプロジェクトを昨年立ち上げた。「Kyi Kyi House 」なる女性支援の社会貢献事業である。女性たちに社会へ出て、働く機会を提供する支援組織である。
 「私の考えに共感した女性たちとともにヤンゴンの郊外に女性向けホステルをつくりました。ミャンマーには女性専用ホステルがいくつか存在しますが、私たちのホステルの最大の売りは、女性の自立支援を推進するための就職トレーニングトレーニングセンターを併設していることです。」 働く女性の地位を確保する目的でつくられたこの施設では、外に出て働くこを躊躇していた女性たちがやってきた。「トレーニングセンターではリーダーシップを養い、ビジネスのスキルアップや英語などの外国語も学べます。仕事をする上での技術だけでなく、彼女たちの身体と心のケアも行います。インド人教師によるヨガ教室、メイクアップ講座などその内容は多岐にわたっています。また入居者たちが制作したハンドソープや化粧品を販売する活動も行っています。参加者は毎月100人に藻なりますが、常時40人くらいの女性たちが学んでいます。」

 チチさんは、ご自身のビジネスネットワークを生かし、就職の仲介や斡旋も行っている。入居者の履歴書を参考に、彼女たちに最適な職を案内する活動を無料で行っている。入居者や訪ねてくる女性の多くは、夫を亡くして子供を抱えて途方に暮れていた女性たちがほとんどである。
 そうした不幸な女性たちの障害になっていたのが、前記したミャンマーの悪しき慣習である。外に働くことに対する抵抗をなくし、自信をつけて女手一つで子育をする道筋をつけてあげるのが、この「Kyi Kyi House」の役割だと考えている。

日本のTVメディアも放映した 女性支援活動

 断っておく、この支援事業は政府をはじめとした公的な協賛は一切受けていない。あくまで彼女自身私財を投げうっての支援事業である。
 「今後はトレーニング施設を併設した女性専用ホステルをミャンマー全国に建てるのが目標です。技術さえ身につければ、女性たちは未来を自ら切り開いて行けると信じていますから。」
 この真摯な活動はたちまちメディアの注目を浴びた。ミャンマーのローカル新聞や女性誌が取材に来て、特集を組んだりもした。それどころか日本からも雑誌の取材スタッフやってきてインタビューされた。
 そしてついに今年NHKワールドの「彼女の物語」という番組で取り上げられ、7月25日に世界中に放映された。
(https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/tv/herstory/)
 「日本から取材を受け、テレビ放映されたことは光栄でした。その日本へは一度だけですが行きました。正直言って衝撃を受けました。仕事に対する姿勢です。
 簡単に手を抜かない。常に”改善”する意識を持っている。素晴らしいことです。今、ミャンマーにはこの精神が必要なんです。日本のいい点を取り入れ、この国にぜひ役立たたせたいと思いましたね。」
 今年40歳になったチチさんは実業家というよりも、ミャンマー女性の“良心”を持つ母のような存在なのかもしれない。
 「正しい道は明るい未来をもたらす。」
 彼女の座右の銘である。久しぶりに心身と共に心を洗われたような気がした。

<Ma Kyi Kyi Win Shwe 略歴>
生年月日-1978年 5月 6日 40歳
出身地 -Dawei、カレン民族
血液型 -A型
学歴 - ヤンゴン大学(Msc 生物学)、MBA取得(UTCC,Bangkok)
趣味 - 水泳、旅行、読書
日本人へのメッセージ :
日本で貴重な体験をさせていただきました。日本では学ぶべきことが多かったです。
そうした素晴らしい点をミャンマーで活かせればと思います。両国にはそれぞれ独自の
習慣文化がありますから、各自に合った対策を考えて、人材を育てていきたいと思います。
Import ,Distribution , Marketing を基礎にした会社として、8年間で90種以上の商品を扱う
ようになりました。皆様に感謝しています。これからも自信をもって頑張ります。

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