導│ミャンマーに貢献する日本人 三井 慶満 Yoshimitsu Mitsui International Lethwei Federation Japan (ILFJ) Chairman 一般財団法人 ILFJ 代表理事

私財を投げ打ってラウェイ国際化の礎を築いた この国の若者たちに夢と感動を与えたい一心で

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     ミャンマーラウエイの国際化が進んでいる。現在、世界44か国でこの過激な格闘技が見られているそうだ。世界で最も有名な格闘技団体のUFCからも注目され、ラウェイで勝利したリトアニアの選手がUFCへの参戦を果たしたほどだという。
     日本でもこの1年半の間に東京の後楽園ホールですでに8回の国際大会が開催され、回を重ねるごとに日本人ファンが増え、日本の格闘技界からもラウェイへの参戦希望の選手のオファーが増した。
     そうしたラウェイの国際化のために、2016年に一般財団法人ILFJを立ち上げ、代表理事として私財を投げうって尽力してきたのが今回お話しを伺った三井慶満さんだ。
     「私が初めてミャンマーに来たのは丁度2年前の3月でした。ヤンゴンの街に足を踏み入れた時、何と穏やかな国なんだろうとまず思いました。緑も多いし、人々も正直で人なっこい。私はほかのアジアの国々には何度も行っていますが、ミャンマーには独特の雰囲気が漂っていました。むろんインフラは未整備な部分が多いですが、もし、電気、水、道路などがきちんと整備されてきたら、この国はすごいことになる、そんな潜在能力みたいなものを直感的に感じましたね。」
     初の来緬でこの国に魅せられる方は多いが、三井さんもその一人だった。それで再び5か月後の8月に来緬した。現ILFJのパートナーで外国人初の国際プロモーターライセンスを持つ中村祥之氏の招きで、ミャンマーラウエイの「第1回世界大会」を観戦するのが大きな目的だった。
     「雷に打たれた、というのはあの時のことを言うのかもしれません。それまで世界で最も過激で危険な格闘技と聞いていましたが、実際、私は”なんと美しい格闘技か“と思いました。何しろ千年の歴史があるんですよ。ラウエイが源流といわれるタイのムエタイでさえ700年、日本の相撲に至っては400年ですよ。だからラウェイにはミャンマーの文化と伝統が凝縮されていると思いました。試合前の奮闘を鼓舞する舞には礼節があり、試合中に流れる伝統音楽には格式を感じました。」
     三井さんはラウエイにひとめ惚れした。そして日本では知名度、認知度の低かったラウェイの国際化に立ち上がり、すぐに財団を設立して支援を始めた。

     三井さんはラウエイにひとめ惚れした。そして日本では知名度、認知度の低かったラウェイの国際化に立ち上がり、すぐに財団を設立して支援を始めた。
     「確かに急所攻撃以外ほとんどが許されているラウェイの試合は過激で流血も多い。そのため日本の会場ではなかなか使用許可が出ませんでした。しかし奇跡が起きたのです。『ラウェイはミャンマーの国技』と中村さんが粘り強く交渉した結果、後楽園ホールから許可が出たのです。それからもう8回も日本で国際大会が行われています。」
     今年6 月にSkyNetグループとNHK との間で設立された「Dream Vision Company」が、MNTV系列で7月6日と10日に日本の世界大会を録画放映した。8月にそのダイジェスト版も放映した。そして次回の日本大会から取材チームを派遣することも決まった。ミャンマーラウエイの国際化に、この国のメディアも本気で取り組み始めた。
     その礎を築いたのが三井代表理事と中村氏であった。「私は収益を追求するためにやっているわけではありません。ミャンマーラウエイを世界の格闘技にしたいために支援しています。だからアメリカのラスベガスで大会を開くのが当面の目標です。夢はオリンピック種目にすることですね。」
     三井さんの思いは果てしなく広がるが、では三井さんはなぜそこまでラウェイに思い入れを持っているのだろうか。
     「この国には情操教育、たとえば音楽とか美術などの科目がありません。そのため感動するという気持ちが育っていないように思えます。だからラウェイという素晴らしい伝統文化を通じて、ミャンマーの若者に誇りと感動を与えてあげたいのです。
     アメリカには野球やフットボールが、日本に相撲があります。ヨーロッパや南米には国民が熱狂するサッカーがある。国民はそうしたスポーツに感動し、明日のスターを夢見てドリームを築くチャンスがある。ミャンマー人は身近過ぎて意識していませんが、ラウェイは世界に誇れる伝統文化なのです。すでに国際化が始まり、世界の格闘技界が注目しているんですよ。」
     先月10日、ヤンゴンのホテルで、前記DVC, MNTV, MBCの主催で、ミャンマーラウエイへの支援を募るイベントが開かれた。席上、三井さんは壇上に立ち「私はミャンマーが好きです。今後も素晴らしい伝統文化のラウエイをできる限り応援していきます。そのためにもミャンマーの皆様の支援も必要ですので、よろしくお願いします。」と挨拶して万来の拍手を浴びた。
     今後、ILFJとミャンマーメディアや関係者の支援と努力で、日本人選手とのマッチメークが増え、欧米からの強豪も続々参戦予定になるミャンマーラウェイ。ますます目が離せなくなった。

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