◎発見|Discovery ピン ウ―ルイン Pyin Oo Lwin

ピンウールインは風光明媚なリゾートとして有名だ。マンダレーから67km、車で約2時間。途中から緑の山道になるが、それがこの町が高地にあることを予感させる。都会の喧騒を離れ、“邦人の間では”ミャンマーの軽井沢”といわれる所以だ。気候は年間を通して涼しく快適で、英国植民地時代は、この町を統治政府が夏のオフィス (The Summer Office )として使用した。そのため、当時の面影をしのばせる建築物や文化、慣習などが残されている。そうした風情がこの町の魅力の一つになっている。その憧れの町ピンウールインを旅した。

目次

「ピンウールイン」という名の由来

統治時代は英国人大佐Mr.Mayが統括した町で「May Myo」 (メーの町)と名付けられていた。しかしその後、1887年からピンウールインと呼ばれるようになった。当時、国民は 「Pan Myo Taw 」(花の町)、「Taung Hle Kha Myo Taw」 (山への階段の町)、高原リゾート地など色々な呼び方をしてきたが、最終的には「ピンウ―ルイン」という名で落ち着いた。ヤンゴン発朝6時15分の飛行機でマンダレーへ向かう。7時半にマンダレー到着。空港からピンウールインへ車で直接行くなら2時間、料金は3万Ksかかるが、今回は「Shwe Man May 」バスを利用した。1人5千Ks、午前11時にはホテルに着いた。
ピンウールインに入ったら、気候的に涼しくなったことを肌で感じる。車窓から望めると周囲は山に囲まれ、段々畑が広がる。高地だけあって、主にテラス栽培が盛んで、それが他の町とは異なる景観となっている。気候、静寂さ、美しい景観に恵まれたからこそ、この地がミャンマー有数のリゾートとして有名になった所以である。

あまりの美しさに誘われ、早々とホテルを出て取材へ出た。まず「Peik Chin Myaung」洞窟へ。約80フィートの高さがあるこの洞窟は、1990年に観光地として公開された。石灰岩などで構成される洞窟は、230~310万年前に出来たと推定されている。洞窟への入り口には3段の滝が流れ、その滝を越え中に入ると数百万年前からの鍾乳石が乗れ下がっていた。細長い洞窟の中には何百塔の仏像が安置されている。ピンウールインは土壌の良い農業地でもある。花の町と呼ばれるだけあって、実に多くの品種の花が生産されている。ちなみにピンウールインの花の生産増減により、ヤンゴンの花類市場価格が変動するそうだ。名産としてはミカン、麦と米(シャン米)、コーヒー、イチゴ、ももなどだ。ピンウールインのお土産には必ずダムソンジャムやダムソンウィンが選ばれる。他にウールマークのセーターも有名である。ピンウールインのセーターは、国内で人気がある。
 観光客に人気で有名なイチゴ畑December レストランを訪れた。店のマネジャーが親切に対応してくれた。2003年に家畜も始め、2007年には牛の飼育もスタートした。当時、飲食店を経営していたが、新鮮な牛乳をメニューにした所大人気になり、採りたての牛乳とイチゴジュースを売りにした。イチゴ畑は2009年から作り始めたという。全体の広さは110エーカーあり、現在は中華料理のほか、牛乳、イチゴジュース、チーズなどが人気で、清潔感と新鮮さが自慢の軽食店になった。牛は200頭まで増え、社員も100人以上。ミニ農園までできたと店長は胸を張る。客としてはタイ人と日本人が多い。ミャンマーでは珍しいスタイルの農業レストランに将来の計画を尋ねたら、牛は500頭まで、所有地の中に滝の一部もあるからリゾートまで考えてみたいし、自然生産物の市場にもしたいと夢を語ってくれた。有名ピクニックスポットのプエーカウ滝へも足を伸ばしてみた。英国統治時代は「ハングシャー滝」(Hampshire Falls)と呼ばれたが、当時は英国人駐留者たちの寛ぎの場所であった。東のラーショーへ行く途中にあり、実際に訪れてみると、その壮大な自然の美しさに感動した。園内には「自然の美しさを一緒に守りましょう」’という看板が随所にある。まさに国宝級のリゾート地であることが分かる。

その後「国立植物園National Kandawgyi Gardens」へ向かった。この地のシンボル的なランドマークであるこのパークは、1915年に森林研究官Mr.Elex Rodgerにより作られた。1924年には管轄する林業局が240エーカーの国定の植物園として法的に定めたと発表した。現在、公園内に増設中の湖の部分も含め、現在は340エーカー(約1376平方キロ)もの広大さを誇る。入場料 大人1000Ks、子供500Ks(ローカル)、外人 5$開園時間 午前8時~夕方6時。現在運営管理はHtoo グループが行っている。運が良かったのか、天気も晴れ、同グループの植物園管理長U Wai Myo Aung 氏が自ら説明してくれた。「2008年1月からHtoo社に管理が移行されました。274人の従業員で働いています。植物森林大臣省のサポートもあり、海外の専門家にもアドバイスを頂いています」と語った。日本からプレゼントされた銀杏の木と桜の原種は、ミャンマーの他の地方では栽培できないが、ここではよく育っているそうだ。訪問客はイタリアとフランス人が一番多く、7月と8月はなぜか外人客が増えるそうだ。ここでは589種の国内外の樹木、75種の竹、300種以上の蘭、他に珍しい花畑や鳥も観れる。化石や蝶の博物館を訪問したときには、なぜ国が大事に保守して
るのが分かった。
羽の色変わりあるため、普通撮影は禁止されてるが、日本からの寄贈物は是非日本人読者にも見てほしいと撮影許可を頂いた。蝶に詳しいカチン族のスタッフさんが丁寧に説明してくれた。リゾート地で寛ぎの場とはいえ、植物学や化石学などの研究の宝庫にもなっているのだなと感心させられた。

観光名所「Aniisakan 滝」 

ピンウールイン市内から車で30分。滝への入り口付近に着いたら、赤色の細長い道が一本あった。滝へはその道を下っていくと教えられた。高さは45メートルもあり、男性の早足でも滝まで20分は掛かると聞いていたが、挑戦してみることにした。歩き始めて5分ぐらい経つと、すっかり林の中に迷い込んだ感じだ。それから約30分ぐらい険しい山道を降りると、やっと水の音らしきものが聞こえてきた。狭い道を曲がると空気まで変わってきたのには驚いた。さらに近づくと、滝からほとばしる水滴が肌に当る。とても気持ちよくすがすがしい気分になる。山道を歩いた疲れがすっかりととれたような感じだ。ピンウールイン最大の「Dat Taw Gyaint Aniisakan 滝」は有名スポットだけに、自然の素晴らしさを再認識させてくれる。

Hnee Payar 竹のパゴダ

滝からの帰りは「竹パゴダ」に足を運んだ。伝統のロンジーはともかく、だらしない衣装やき極端に肌を露出した服装は禁止されている。仏像の前には沢山の人々が座っており、遠くからしか祈ることができなかった。ここからの景色も素晴らしい。

市の中心にある市場を訪ねた。ここには美味しそうな果物屋が立ち並んでいた。地元の運転手さんにマーケットを案内してもらった。ウィン、コーヒーとセーターなどを売る店が多かった。市内の交通機関はバイクと3輪車と馬車。3輪車は一人500Ks~。ここへ来たら、訪問者は必ず「パーセル時計塔」へ足を運ぶ。Gorge5世の記念として英国のジレット&ジョンソン社により、1934年に造られた。植民地時代を象徴する時計塔はビクトリア女王からの贈り物だった。昼飯は「CCレストラン」で食べた。中華料理のメニューもあったが、シャン料理を頼んだ。清潔な雰囲気で、花の飾りでしゃれている店だ。その割にはシャン料理一皿1200Ksとは安かった。外人にも人気だ。 気づいたのは中心部から離れるにつれ、リゾート感覚が高まってくることだ。
軍事大学(空・軍)、私立高等学校、軍事技術大学など教育施設も広い敷地内に点在している。また100年以上経つゴルフ場、英国式のSaint’s Churchなど歴史的な建造物も多い。
夜は日本人経営の「ひろみホテル」に泊まった。静かな敷地の中に立つバンガロータイプの宿泊施設は、客室も広く、室内にはキッチン、バスタブ、食卓、無料WIFIなど設備も。全室バルコニーも付いている。4エーカーという広さの中にたった10室の客室で、清潔感もある。朝食は朝7時からオーダーできるが、部屋までサービスもしてくれる。ホテルから5分と歩くと可愛らしいデザインの「Hiromi Café」もある。ホテルを出て「Maha Ant Htoo Kan Tha パゴダ」へ向かった。ここは1997年に中国シェリー王から注文があり、マンダレーの仏像彫刻会社が車に乗せてシュエーリーに送った際に、ピンウールインを通過したが、事故で車から落下。以来、どのような機械を使っても動かす
ことが出来ず、結局 他の地へは決して渡さない、とお釈迦様に誓い、地元の人々が皆で祈願したら、何と移動させることが出来たという逸話が残る。それで、車から落下した地点に仏像を配置し、お寺を作った。それから、願いがかなうと信じられ、国民に愛されるようになった。
パゴダ園内の花畑の美しさはもちろん、360度の眺望は息を呑む見事なもの。その眺めと仏像の歴史が国内外の観光客が集まる理由だと思った。

古き良き英国的風情残るリゾート感覚一杯のホテル ホテル ピン ウ―ルイン Hotel Pyin Oo Lwin

2008年から営業開始。部屋はデラックス、スイートに分かれ、全室バンガロータイプでバルコニーやバスタブも付いている。しかもチーク材をふんだんに使用し、自然を上手く利用したリゾート感覚あふれるホテルだ。4エーカーという広大な敷地の中に、36室をゆったりと配置。各バンガローにはじつに120トンもの木材が使われており、いずれも2室付きでアジアの方々の人気ホテルのひとつ。ホテル内にレストラン、バー、プール、会議室、ジム、無料WIFIなど設備も充実している。自転車レンタル(一日20ドル)、市内観光には手頃な料金で1970年のメルセデス3台を用意。常連客が多いのもこのホテルの特徴で、20年もの間同じシェフが仕切るレストランも有名。ホテルのコンセプトはミャンマーのリゾートシティのイメージを損なわないことで、特に内装や施設にはこだわっている。建物は英国コロニアル様式の伝統建築をベースにした趣のあるもの。市の自慢のカンドージ国立植物園へは歩いて10分。
料金は年に一回変わるが今年は デラックス 1万2千Ks、スイート1万5千Ks。ロングステイゲストには特別な料金で。

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