◎今月の視点 本気になった「日本」。今こそ“真意” をみせるべき

雨季は意外に早くやってきた。5月の声を聞いた途端、午後になると天候が崩れ、雨雲がヤンゴン上空を通過するパターンが日常化してきた。

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ミャンマー人待望のレインシーズン到来 電力事情は少しづつ改善されてきたか

雨季は意外に早くやってきた。5月の声を聞いた途端、午後になると天候が崩れ、雨雲がヤンゴン上空を通過するパターンが日常化してきた。今月はもう本格的なレインシーズンである。雨足が早いから、携帯傘は手離せない。しかし、ミャンマー人にいわせれば、この季節を“待ち焦がれていた”と表現する方がじつに多いのは意外だ。湿度は高めだが、気温が下がり、射るような強烈な日差しから逃れられるからだろうか。だが、我々異邦人にとって、雨季か乾季かと聞かれれば、それは間違いなく後者と言うであろう。12月、1月の爽やかな黄金の季節を体感した方ならなおさらだし、暑さに対しての逃げ道ならいくらでもある。が、街中で不意打ちのように激しいスコールに見舞われたらもう成す術もない。
“成す術”といえば、この時期、水力発電の貯水量が回復するまで停電が多発する。したがって発電機がない住居はもうお手上げである。しかも停電は予告なし来るし、いつ灯くか見当もつかない。その間、エアコン、PCはむろん、上階の居住者は水を汲み上げるポンプに電気がいかず、シャワーも浴びられない。蒸し暑いから窓を全開にすると蚊にやられる。これを夕方から翌朝までやられたら堪らない。かって発電機なしアパートに居住経験のある当方は、さすがに我慢の限界を超えた。電話以外の情報手段を遮断され、暑いからLEDライトの下でジッとしていると、まるで世界から隔絶されたような無情感に襲われる。これが精神的に一番こたえる。しかし、連日の計画停電で「電気よこせ」のデモ隊が市役所を包囲した2年前に比べれば、今年はまだまし、との声も聞く。電力事情は少しづつだが改善されてきているようだ。

3500 万人が視聴したミャンマー特番 ピュアで真の魅力を伝えた映像に賛辞の声

ところで、先月2週にわたって放映されたフジTVのミャンマー特番は、おおむね好評だった。第1回目はヤンゴンとインレー湖周辺で、巧みなカメラワークと演出で、普段見慣れている我々でも、シェダゴンパゴダの映像は息を呑んだ。ヤンゴン市内の名所を案内したミスミャンマーの ナンキンゼアーさんとアンガールズの田中さんとの掛け合いもそれなりに面白かった。インレー湖の家庭にホームステイしたレポートも興味深かった。
 第2回目はゴールデンロック、マンダレー、バガン、西海岸のナパリビーチなどのミャンマーローカルの名所が美しい映像で映し出された。バガンなどの有名仏教遺跡も良かったが、意外な反響があったのはイタリア人があまりにもナポリに酷似しているために名付けたというナパリ。なかでも最高級ホテルの「ティンガ―ハ―・リゾート」の豪華さには目を奪われた。日本からの感想でもこのリゾートに関する賞賛の声がかなり伝わってきた。初回の視聴率は10,6%約1500万人で、2回目は15%約2000万人が視聴したという。年内に、使われなかった映像を少しづつ入れ替えて3回の再放送が予定されているという。そうなれば少なくとも今年中に日本人の半分くらいはミャンマーのピュアな魅力に触れることになるだろう。放送後、全面コーディネートした弊紙へのアクセスも殺到しており、TVで露出したお店なども邦人客が増えてきているという。改めて映像メディアの影響力の凄さを痛感した。

前例のない海外メディア企画に理解を得る 本気度を示せば結果は必ずついてくる

全面コーディネートといっても、今だから明かせるが、この国で海外映像メデイアの本格的な許可を頂くのは大変だった。まず、管轄官庁の情報通信省に企画の意図や取材クルーの身分経歴、機材などの詳細な書類を提出し、この役所の承認を頂いてから在ミャンマー大使館で取材ビザを交付してもらう事になっていたが、何せ数年前まで海外メディアには厳しい規制があった国である。他国と違ってその意図が中々伝わらない。そこで、ホテル観光省大臣に手紙を書いたり、日本外務省ミャンマー課から在ヤンゴン日本大使館を通じて情報信省に働きかけて頂き、どうにか正式な許可を頂いた訳だが、さらにバガンなどのエリアは文化省の管轄になり、この役所の許可も必要。しかもシェダゴンなどの国宝級の寺院には個別に撮影許可を取り付けなければならず、こうした申請や交渉だけでも非常に難儀した。
 しかし、いずれにしても、結果としてこうした前例のない企画に理解を示して頂き、何のトラブルもなく延べ取材クルー20人、取材期間1カ月、撮影映像約150時間もの取材を許可していいただいた関係各官庁、機関の方々には改めて心から感謝する次第である。
 今、ヤンゴンは和食店の猛烈な進出ラッシュである。邦人企業も相当数やって来ている。すでに販売が開始された経済特区「ティラワSEZ第1期400hr」も、ここへきての申込みが急上昇だそうである。やっとというか、ついにというべきか、どうやら我が母国も本気になってきた感がする。その意味で、この番組はミャンマーの真の魅力を総集しており、ネガテイブなイメージを払拭したとも感じるので、強力な追い風になることは間違いなさそうだ。
 しかし、だからこそ、これまでアジアの某大国が行ってきた自己利益主義には走って頂きたくない。そして今こそ日本と日本人の“真意”を見せるべきではなかろうか。そうなれば本格的な日本の進出に幾分懐疑的だったこの国の人々がさらに胸禁を開き、厚い信頼と協力が得られるはずだ。むろん結果は必ず付いて来ると確信する。

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