◎Bagan 通信 第3回「オールドバガンー2」

オールドバガンの中心的存在はアーナンダ寺院です。

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    オールドバガンの中心的存在はアーナンダ寺院です。創
    建したのは3代目チャンシッター王ですが、この寺院は聡明な君主の善政もあって人気が高く、今も昔ももっとも参拝客の多い寺院となっています。チャンシッター王は初代アノーヤター王が行なった国土の 拡大に伴い生じた軋轢を、人徳によって和らげるという統治政策を敷きます。特に抑圧したモン族を保護したり、インドやスリランカとの外交を重視するなど民族融和に努めました。
    アーナンダ寺院の中心には4体の仏像が安置されていますが、このうち2つはバガン時代に創建された当時のものであるとされています。均整がとれた設計、精緻な彫刻やかつては2万体を超えた仏像など美しく華麗な寺院として知られています。
    余談ですが、チャンシッター王は初代アノーヤター王の子とされていますが、将軍の1人であったという碑文も残っていて、またインド系であったという説もあり、謎の多い人物です。
    実際チャンシッター王がその王妃のために建立したミンカバー村にあるアベヤダナ寺院には、バラモン教の神像と思われる壁画が残されています。
    インドがアーナンダ寺院の修復など独自の保護政策を打ち出しているのは、インドではこのバガン1美しい寺院は自国に由来すると認識しているからにほかなりません。

    オールドバガンはかつて方形の城壁に囲まれ、4つの門がありましたが、エーヤワディー川の侵食により西側の4分の1ほどが消失してしまっています。今となっては、そこに何があったのかまったく分かりません。
    寺院の多くに太陽の軌道を観測するテラスが備えられていて、登楼して観る朝日と夕日は美しく、本来これがバガンいちばんの魅力です。しかし、文化省考古学局では登れるパゴダ・寺院を5堂のみとしており、代表格であるシュエサンドーパヤーなどは、近年の観光客の増加で夕日の時間ともなると数百人も同時に登るため危険性が指摘されています。
    観光の魅力と事故防止という2つの観点からパゴダの開放が望ましいといえます。
    1975年の大地震でも倒壊しなかったこれらオールドバガンの巨大寺院群ですが、それだけ堅牢な建築を可能にした財力と多くの労働力があったわけです。当時の記録からは寄進されたものの中に多くの奴隷が含まれていたことが分かっています。また免税地であった寄進地は最盛期でバガン王朝の 国土全体の2分の1から5分の1を占め、王朝と寺院の間には土地所有権の確認訴訟も頻繁に起こるなど対立していきます。その多くで 王朝側は敗訴し、ミャンマー仏教に従順であったが故に経済の破綻を招き、滅亡への道を進むことになるのです。

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