◎Deep in Myanmar ミャンマーの深層  日常の中の疑問符 ミャンマーのそこが知りたい 「ミャンマーのアートにまつわる話」

ミャンマーアートと聞いても、残念ながら我々日本人は余りよく知らない。

 ミャンマーアートと聞いても、残念ながら我々日本人は余りよく知らない。情報が乏しいのからでもある。しかしアジアの近現代の美術作品を展示している福岡アジア美術館には、所蔵絵画2900点のうちミャンマーのアート作品が71点も所蔵されている。  福岡市とヤンゴン市は、2016年12月に姉妹都市締結をしたが、それを記念して、2018年1月9日まで、「福岡市・ヤンゴン市姉妹都市締結記念ようこそ、ミャンマー美術へ!」と題した展覧会も現在開催中だ。展覧会では19世紀末から現代までのミャンマー美術の作品約30点ほど展示されている。主な作品には、1917年頃にサヤー・ポン氏が描いた「シュエダゴン・パゴダ」のほか、イギリス植民地時代におけるミャンマー王朝の宮廷を描いた作品、また現代の社会問題をテーマとした作品などがある。  福岡アジア美術館では、1999年の開館当初からミャンマー美術の紹介、また作家を招聘して作品制作を行うなど美術交流を続けてきた。また、これまで多くのミャンマー作家が「美術作家招聘事業」や福岡トリエンナーレの「交流プログラム」で滞在し、作品制作やパフォーマンス、ワークショップを行ってきたが、2004年に同館で滞在制作したミョタンアウンをはじめ、パフォーマンスの映像記録なども紹介している。  また、先月23日までは、ミャンマー人のアーティスト数人を含む東南アジアをテーマにした企画展「サンシャワー:東南アジアの現代美術展1980年代から現在まで」が、東京の国立新美術館、森美術館で開催されていた。(2館同時開催)。  こうしたに日本でのアートムーブメントをみると、ここ数年、アジアの絵画のなかでも、特にミャンマーアーティストにスポットライトが浴びてきていることだけは確かなようだ。  その中でも地道な創作活動を続けているTheeZar氏は、熱帯特有の鮮やかな緑の色遣いと、独特な描き方が注目される蓮の花や女性像などの作風が非常に個性的。  1960年生まれでヤンゴンの「The State School of Fine Arts」を卒業。蓮の花と女性をモチーフに描くことが多く、海外のコンペティションでも入賞経験がある画家。現国家顧問のスーチー氏も彼の作品を2枚も購入したことがあるそうで、うち1枚は彼女の夢をモチーフに作品を依頼したものだという。  しかしこの国のアーティストはThee Zar氏のような成功者は稀。正式に登録されているだけで10,000人、非登録を含めても60,000人ほどと推定されているから、まだまだ十分な創作環境とはいえない。  それに加えてミャンマーでは例えば伝統文化や古典芸能の保存に重点を置く傾向が強く、国立博物館はあっても公立の美術館がないことでも十分な環境でないことがうかがえる。しかも現在ミャンマーには美術専門大学は2校しかない。義務教育のなかで情操、創造性を育む「美術」という授業がないことなどもその要因になっているのではないか。  だから最新のアートに触れるには、民間なり個人運営の小規模アートギャラリーを歩いて回るしか手はないのだが、邦人在住者の中には、ギャラリーを見て回ったが、玉石混交の作品が大半で落胆したという方も多いのではないかと察する。  しかし、最近ではヤンゴンの中心地に洗練されたアートスペースができている。人民公園に隣接するアローン通りから少々入った公園内にある「The Yangon Gallery」は、緑に囲まれた赤い建物が印象的。ポップな印象のロゴマークが目印で、館内にはカフェが併設され、エアコン、禁煙スペース、Wi-Fiも完備されている。コンテンポラリーアートの作品や写真の展示コーナーのほか、書籍フェア、セミナー、ワークショップなどを随時開催するヤンゴン現代アートのトレンドセッター的なアートスペースといえるだろう。  また、昨年10月にオープンした3Dアートギャラリーも面白い。場所はシュダゴン・パゴダ通りにある知る人ぞ知る「ハッピー・ワールド・アミューズメントパーク」。ここにミャンマー初の3Dを駆使したトリックアートが楽しめるスポットが誕生した。オープン当初は利用客が少なかったが、ギャラリーで撮影された写真がSNSに公開されてから、人気が急上昇したという。  このギャラリーは訪問者参加型の展示スペースだ。利用客は見るだけではなく、アート作品の一部になり、写真撮影することができる。ギャラリーには、サメに食べられているシーン、マンモスの角にロープを掛けて崖を登るシーン、蛇のとぐろに巻かれるシーンなど、見応えのある写真が撮れるアートシーンが用意されている。利用客は、撮った写真をすぐにFacebookにアップするのが楽しみだそうで、来てみたら期待以上に楽しかったという声が上がっている。

ヤンゴンのお勧めの ギャラリー

The Yangon Gallery Address : People's Park Compound Near Planetarium Museum Alone Rd, Yangon. Hours : Open :10AM–6PM  TEL : 0973827777

Nawaday Tharlar Gallery Address : Yaw Min Gyi road Building No. 20B Room No.304,Yangon, Hours : Open : 10AM–6PM  TEL : 0943097918 少し手狭な感もあるが 家にいるようなアットホームなギャラりーだ。作品点数も多いのでゆっくり見る場合には時間が必要。ミャンマーの画家と詩人たちが集う場所の一つだといわれている。

Wired on 39 Address : 39 St, Yangon, Hours : Open: 10:30AM–5PM TEL : 09254377278 ローカルの芸術を奨励するための彫刻や写真の展示が特色。ワイヤーによる彫刻や肖像画が興味深い。歴史的建造物の中にあり、居心地の良いギャラリーだ。写真家でアートディレクターでもあるDon Wrightの作品があるのもここの特色。

The River Gallery Address : 37 St, Yangon. ヤンゴンのアートシーンで最近注目されているギャラリー。ミャンマーの主要な現代アーティストの作品を紹介している。2005年にニュージーランド人のGill Pattisonによって創設されたハイクラスなギャラリーといってよい。 37と38丁目の両方に入り口がある。

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