◎発見|Discovery Golden Rock ゴールデンロック

数々の伝説に満ちたミャンマーの聖地 心身共に癒される黄金のパゴダへ

目次

ミャンマーを訪れたことのない方でも、一度は目にしたことのある神々しい黄金の岩。大地震に見舞われても落下しなかったその不思議なパワーに数々の伝説も残る。12月は家族総出で巡礼するミャンマー人が多く、観光客も増す。今回はこの国の3大聖地のひとつをご案内しよう。

仏陀の遺髪が納められたパゴダという逸話

信仰心の厚いミャンマーには、仏教徒の心の拠り所である「聖地」と崇められる寺院が数多く存在する。その中でもヤンゴンのシュエダゴン・パゴダ
(Shwedagon Pagoda)とマンダレーのマハムニダ・パゴダ (Mahamuni Buddha Temple) は双壁だが、重要な巡礼地として位置づけられているチャイティ―ヨ―・パゴダ(Kyaiktiyo Pagoda) も抜きにはできない。一般的には「ゴールデン・ロック」(Golden Rock) と呼称されるこのパゴダは、ミャンマー北東部、ヤンゴンから約180㌔のモン州「チャイト―」という町の山頂にある仏塔だ。
 このパゴダが世界中の人々に知られるようになったのは、そのネーミングが示す通り、黄金(ゴールド)に輝く岩(ロック)が今にも落下しそうな形で山頂に神々しく建立されているからだ。巡礼者たちの寄付によって貼り付けられた金箔に覆われた花崗岩の巨礫の頂上に、高さ7.3mの小さなパゴダが載っている。言い伝えによれば、この小さなパゴダは仏陀の遺髪が納められたという説がある。しかも岩は、まるで重力を否定しているかのように、巡礼者が手で触れても微動だにしないから不思議だ。

地震で空間に浮遊したという不思議さ

今から約20年前の1975年に、ミャンマーは大地震に見舞われた。マグニチュード6.5だったというからここではかなりの強震。だからこの時には山頂の寺院の建造物はすべて倒壊した。驚愕した僧侶たちはゴールデンロックが落下してしまったのではないかと、真っ先に駆けつけたが、幸いにもロックは落下していなかった。それどころか何とこの黄金の岩は30センチほどの高さで空間に浮いていたという。
 僧侶たちの伝承では、かつてこの岩は空中を浮遊してこの場所に置かれたという。ある高僧が王族同士のいがみ合いや戦乱を止めさせるために、この巨大な丸い花崗岩を浮かせて設置したという伝説が誠しやかに言い伝えられている。

その後、巡礼者たちがやってきて岩に金箔とともに業(カルマ)を吹き込んだ。つまり金箔とカルマの重さで、岩は少しずつ沈み、現在の形状に落ち着いたとの説だ。言い換えればこのロックには相当な浮力があるのではないかとも言われている。大地震でも落下をまぬがれたのは、そのためではないかという。岩の表面に貼られている金箔は、条件が許せば信者自ら直接貼ることもできる。できるが、女性はパゴダに触れられないので、係員か同行の男性に依頼する。直接、金箔を貼ることが難しい岩の裏側などは、数年に一度、竹の足場を組んで貼り直しが行われる。

麓の「キンプン」から乗り合いトラックで

ヤンゴンからゴールデンロックのあるチャイティ―ヨ―へは、電車、バス、タクシ―(チャ―タ―)という交通手段があるが、前2つは時間がかかり過ぎるから約4時間半で行けるタクシ―がおすすめだ。日帰りの往復ならばガソリン代を入れても100~150ドル見当である。
 ゴールデンロックへ向かう道中は寺院や小さなパコダが点在。途中のバゴーから高速道路に入り、麓の町「キンプン」を目指す。ここから山頂へは国営の乗り合いトラックしかない。むろん荷台に乗るが、坂道が急なので、スピードが増すとスリリングだ。料金は2,500Ks。山頂には「マウンテントップ」というホテルもあり、宿泊も可能。この場合は朝のご来光が目当てになるだろう。
 ロックの入り口からは、当然素足に。写真撮影は、柵の手前からのみ許されている。ゲートから先は神聖な場所なので、カメラや荷物、帽子などを警察官に預けることになる。ゴールデン・ロックは、この国の仏教徒や巡礼者だけでなく、ここを訪れる人々にとっての癒しのスポットであり、宗教的なインスピレーションを感じずにはいられない聖地だ。

Tags
Show More