◎アジアのカリスマ美容師の松尾俊二氏が逝去。 昨年ミャンマー1号店を開店した矢先の訃報が

 シンガポールを拠点にアジア各国でヘアサロンを開き、昨年ついにミャンマーのヤンゴンでも1号店をオープンさせた「Shunji Matsuo Hair Studio」のカリスマ的なセレブリティヘアスタイリストの松尾俊二さんが、膵臓癌との戦いの末、故郷の神戸で10月9日に逝去された。

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     シンガポールを拠点にアジア各国でヘアサロンを開き、昨年ついにミャンマーのヤンゴンでも1号店をオープンさせた「Shunji Matsuo Hair Studio」のカリスマ的なセレブリティヘアスタイリストの松尾俊二さんが、膵臓癌との戦いの末、故郷の神戸で10月9日に逝去された。享年67歳だった。生前、松尾氏の病状については、彼のごく親しい友人だけが知っていた。それだけに関係者の間では驚きと悲しみが広がっている。
     2008年から松尾氏とのコラボレーションを始めたファッションスタイリストのライオネル・リム氏は、「彼は、人々に悲しみを感じさせたくないからあえて公にすることをしなかった。私は彼がシンガポールを後にして日本へ治療に行く約2カ月前に、松尾氏と最後に会いました」と語った。
     松尾氏は自分のことよりを他人を気遣う人だった。彼は2013年からシンガポールと日本で開催された年に一度のイベントで、高齢の女性やがんの闘病者を励ますために神戸に行っていた。彼自身も代替医療をさがして神戸に滞在していた。そして松尾氏は、弱体化していた体力が回復し、癌を克服していたとも言っていたが、やはり病には勝てなかった。
     弊紙は昨年7月にミャンマー1号店をオープンする際に来緬した松尾氏に単独インタビューした。繊細で美意識の強い方だった。1970年代初頭に、当時NYで一世を風靡した須賀勇介氏のもとで修業し、その後ご自身も独立して有名ヘアスタイリストとして多くの著名人を顧客に持つまでになった。しかし、21世紀にはアジアの時代が来ることを予見、1996年に拠点をシンガポールに移し、成功を納める。
     「年齢を重ねることで生じるスタイル、容姿の変化をポジティブに受け入れ、その上でいかに美しく装い生きるかを考え、そして如何にこれからの人生を謳歌するかを実現するために始めた運動が『Make Over Magic』です。人はいつまでもそれまでの人生の積み重ねを表現し、気品高く装うことができる。それが私の信念でもあります」。インタビューでこう語っていた松尾氏の「クオリテイー・オブ・ライフ」のポリシーが印象に残っている。
     松尾氏のサロンの幹部ロメオ・タン氏は、松尾氏逝去のニュースを突然聞いたという。「私は彼が亡くなったことで強いショックを受けています。私はまだ彼が元気なうちに日本へ行きたかった。悔やみきれません」と無念の胸の内を明かした。
     タン氏は、「私は彼が多くの慈善事業に携わる誠実な人であることを知っていました。がんにかかっている老人の毛髪を整えて上げ、さらにかつらをつけてあげて、生きるためにより幸せと自信を感じるようにして上げている姿を何度も目撃しています」という知られざる松尾氏の人柄を忍ばせるエピソードを披露してくれた。
    合掌。心からご冥福をお祈りいたします。

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