◎今月の視点 日緬の経済・文化交流、新時代の幕開けへ

去る10月29日、ヤンゴン郊外に計画中のハンタワディ新空港建設の優先交渉権を韓国企業グループに代わって獲得した日揮、シンガポール企業連合に続き、再び日本への信頼感を増幅、再認識させるプロジェクトが始動した。

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三菱商事企業連合のマンダレー空港改修事業 向こう30年間の事業権譲渡の正式契約調印

去る10月29日、ヤンゴン郊外に計画中のハンタワディ新空港建設の優先交渉権を韓国企業グループに代わって獲得した日揮、シンガポール企業連合に続き、再び日本への信頼感を増幅、再認識させるプロジェクトが始動した。
先月17日、スーレーシャングリラホテルで、三菱商事、JALUXとミャンマー大手SPAグループの YOMAの3社コンソーシアムは、ミャンマー航空局との間でマンダレー国際空港における向こう 30 年間の事業権譲渡の正式契約を締結した。今後、ミャンマー航空局からの事業移管を経て、3社合弁で設立した空港運営事業会社「MC-Jalux Airport Services Co., Ltd.」(以下 MJAS、出資比率三菱商事 45.5%、JALUX 45.5%、YOMA 9%)が、2015 年3月頃から事業を開始する運びとなった。MJASはターミナルビルや滑走路などの空港関連施設の補修改善、維持管理を含む、空港の運営(航空管制など一部業務を除く)を行う。ちなみにこれは日本企業が海外において 100%民間資本で取り組む初の空港事業民営化プロジェクトである。
三菱商事はこれまで空港を含めたインフラプロジェクトの建設・事業運営を多数手がけており、こうした案件で培った知見を活用してこのマンダレー空港事業に取り組んでいる。JALUX は日本国内 27 空港
(2014 年 10 月現在)でのリテール事業や、空港施設の一部管理・保守事業などで 50 年以上の経験を有し、海外でもラオスなどで運営実績を持つ企業だ。また、YOMA は、不動産開発などミャンマーにおける事業ノウハウを提供する。この国では航空輸送は国内唯一の高速輸送手段で、マンダレー国際空港は国内11 都市、海外4都市を結ぶハブ空港。2010 年以降、旅客数は国内線で年間平均 20%、国際線で 60%増加しており、2013 年の旅客数約 75 万人(国際線 19 万人/国内線 56 万人)対し、300 万人まで対応できる設備能力を有しており、今後も国内・国際路線を拡大していくことで更なる旅客数の増加を図る計画だ。三菱商事とJALUXは、同空港の運営事業を通じてこの国の経済の生命線ともいわれる航空網整備の機能向上にひと役買う。
三菱、丸紅、住友の大手商社主導で着々と進む「ティラワSEZ」プロジェクトを含め、日緬外交樹立60周年を迎えた今年、ミャンマーと日本との経済的交流は、新たなる局面に入ったといえるだろう。

ミャンマー中高年の憧れ“侍、Sonny Chiba” 映画文化隆盛への支援と交流を公式に発表

先月中旬、ネピドーで開催されたASEAN 首脳会議に来緬したオバマ大統領や安倍首相はテンセイン大統領と会談し、さらなる支援を約束した。ことに日本は新たに260億円の円借款を申し出て、我が国が口先だけの2枚舌ではないことを示したが、こうした支援や交流の輪は文化的事業にも広がっている。
首脳会議の2日後の16日に開催された「60周年記念イベント」に、一般社団法人国際ウェルネス協会会長の稲田昭博会長やOhgi International Co.Ltd.の田中康之社長らの招きで来緬し特別出演した千葉真一さんも、100年の歴史を誇るミャンマーの映画界への支援を約束してくれた。イベントの翌日、弊紙の仲介で実現したミャンマー映画撮影家協会U LuMin会長や幹部との会議で、出来るだけ早い時期に日緬共同でミャンマーに映画村を作り、かって共に隆盛を極めた映画界を再び盛り上げていくことで合意。また、同時にかねてから抱いていた両国合作の映画を製作することでも一致。会議後の記者会見で正式に発表された。         (詳細はP18,19参照) 
ちなみに千葉さんは別名「Sonny Chiba」の名で知られたミャンマーで最も有名な日本人である。なかでも「柳生一族の陰謀」や「ゴルゴ13」などはミャンマー国内でビデオで広く閲覧されていたため、中高年世代には絶大な人気を持つ。それだけに記者会見翌日の各メディアはこのニュースを大きく取り上げた。同日に表敬訪問したU Myint Sweヤンゴン管区首相も若かりし頃に観た千葉さんのサムライ姿が脳裏に焼き付いていると語った。首相からも映画村への協力を惜しまないと支援を約束していただいた。
遠くて近い国だった両国の距離がまた少し縮まってきた。千葉さんは初代ビルマ首相バ―・モウが書き遺した「ビルマの夜明け」という本にいたく感銘を受けたという。そして、アウンサン将軍と30人の志士と鈴木大佐との友情をテーマにした映画の構想を熱く吐露した。

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