◎第18回 テリー先生ヤンゴン滞在記

日本慰霊碑を見てオートバイと河を渡る

目次

    マンダレー駅から歩いて10分、こぎれいなホテルに泊まる。オートバイを一日10,000Ks=1000円で借りる。何処に行く当ても無い。イラワ
    ジ河を見たくて向かう。
     マンダレーは多くのオートバイが走っている。流れに乗って走ることが重要だが、緊張する。
     慣れない道を走るには、なるべく道を曲がらないでまっすぐ走るほうが楽だ。28番道路をまっすぐ、イラワジ河畔の道路まで走る。
    河を眺めると、向こう岸に行きたくなる。地図をみると、20km先に橋がある。目的地を対岸にある町、Mingunに定めて、オートバイを走らせた。

    橋を渡るとSagainという町だ。初めてのパヤーの門をオートバイで登ると、僧院があった。料理が見えたので食べたいというと、ご飯を持ってきてくれた。
    感謝をして、頂上にあるパヤーに向かう。イラワジ河を眼下に見る見晴らしが絶景である。お坊さんが出て来て、健康にいいと蓮の花から出来た飲み物をいただく。地元の情報はお坊さんのところに集まる。日本人が作ったパヤー。日本人が診察にあたっている病院があるという。いかねばなるまい。

    感謝を述べて、再びオートバイを走らせる。立派な日本パヤー。昭和の時代に色々な団体が作ったようだが、管理されている様子はないし、訪問客も少ないようだ。パヤーの側面に戦争に従事した兵隊の氏名が刻まれている。異国の地で日本人の名前を見るのは衝撃が走る。

    石碑に赤字でいたずら書きがある。これを見たらこの地を去れない。翌日、ホテルの歯ブラシ、石けんを持ってきて綺麗にした。
    パゴダの建立は昭和51年1月(1976年)と書かれている。既に39年を経過し、読めなくなった字もある。

    お坊さんが教えてくれた次の場所、日本医師が働いている病院を目指した。ジャパンハートという団体がお坊さんの病院で、貧しい人達の治療にあたっている。日本からボランティアの医療関係者が年間500人来るという。代表の方に話を伺うことが出来たが、突然の訪問で邪魔になってはいけない、数分で退散した。辺鄙(へんぴ)な場所で、地元に貢献している活動には頭が下がる。

    今日は17:00の夜行列車でヤンゴンに戻らなければならない。先を急いだ。目的地のMingunまでオートバイで走る。
    Mingunについた。ここから来た道を帰るのでは、列車に間に合わないかも知れない。ここは、イラワジ河を船で渡るしか無い。おじさんが居たので、向こう岸まで渡りたいというと7000Ksだというので、5000ksでどうだと交渉する。OK..オートバイを小舟に載せて出航だ。乾季のため水量の少ない河底を船底がこすっている音が聞こえる。これは料金を値切って申し訳ないような気になった。既に15時だ。17時には列車が出る。先を急ぐ。

    イラワジ河の河川敷には広大なスイカ畑が続いていた。ビニールのマルチが敷かれて近代的な農業が行われていた。ホテルに戻りオートバイを返し、マンダレー駅に歩いて向かう。切符は12750ks=1275円である。夜行列車である。寝れるような席にしてくれと頼んだ。席は柔らかい椅子だ。他の車両は木の椅子だ。
    マンダレー駅を17時に出発。列車はかなりのスピードで走る。揺れ方は時々、御神輿に担がれているような上下の激しい揺さぶりがある。昔、子供の頃に、上野駅から福島駅まで母の実家に行ったことを思い出しながら眠りについた。
    朝霧の中、太陽が幻想的だ。食堂車に行き、野菜炒めの朝食をとる。ヤンゴン駅についたのは、朝10時。出発から17時間の揺られ旅であった。
    ヤンゴンプレスの事務所に立寄り1月号を手にすると“本格的な日本兵の遺骨収集がスタートか”の記事があり、安倍総理が大統領に依頼したとある。30年ぶりの活動だという。日本慰霊碑も30年経ち、老朽化が目立つ。活動の再開が望まれる。

    <テリー先生>
    本名宮川照男。1949年、平塚市生まれ。早大理工学部卒業後、山武ハネウエル(株)入社。
    1988~1992年、同社米国駐在所長を経て独立。野菜工場設備会社(有)アイエスエス設立。スプラウト栽培を日本に紹介、普及させる。その後、東海大学湘南キャンパス、チャレンジセンター特任職員として「ものつくり」「環境キャラバン隊」などを指導。2012年退官し、2013年5月より、ヤンゴンにて農業視察、調査を開始。
    Yezin Agricultural 大学の学長らと、ミャンマー農業支援について討議を重ね、現在、同大学とヤンゴンのElephant Seed 会社と種子生産についての技術提携を計画中。小型飛行機操縦士免許取得。

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