◎今月の視点 国を良くするためには、社会全体の意識向上が絶体条件

日中の温度計がウナギ上りだ。今月中旬に「水祭り」 というイベントがあるミャンマーは、この期間が暑さのピークとなる。

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日本でも「水祭り」の知名度が上がる 車が小奇麗になり急激に台数増加

日中の温度計がウナギ上りだ。今月中旬に「水祭り」
というイベントがあるミャンマーは、この期間が暑さのピークとなる。しかし年間最大の祭りを控えるヤンゴンの街は、今一段と活気づき、人々の表情も、心なしかウキウキしているようにも見える。この水祭りは、最近、日本でも知名度を上げており、12日に東京の日比谷公園でもイベントが行われるようになった。
 日本は今が春爛漫で、この時期からゴールデンウイークを挟んで新緑の5月まではまさに絶好の季節となる。その黄金週間には、またぞろ多くの日本人がミャンマーにやってきそうだが、久しぶりに再来緬した邦人の方々の間で聞かれる感想は、まず、車が綺麗になったことと車両台数が急激に増えたことだという。確かに政府の規制や政策により、以前のような年代物のタクシーはかなり姿を消し、四駆や高級車が増えた。タイとの国境貿易では、隣国のあちらで生産された新車も輸入され始めたというから、車をめぐる経済活動は想像以上のスピードで進んでいるようだ。

相変わらず悪い運転手のマナー  ”ゆずり合い“の精神が欠落か

それに比べてドライバーたちのマナーは相変わらず
いただけない。ハンドルを握ると人格が一変するとは言うが、この国の人々も例外ではない。専用レーンができる以前はバスの運転手がひどかった。車線変更、幅寄せは当たり前で、事故でも起こば必ず逃亡するとミャンマーの知人は嘆いていた。一般のドライバーでも、普段はのんびりしているよ
うに見えるが、運転席に座ると隙あらば割り込みを狙
い、交差点での左折で渋滞していれば、対抗車線には
み出て捲るように曲がろうとするから悪質だ。
 ランナバード(円形交差点)では左から来る車が優
先で、秩序は守られているが、信号停止時間がやたら
と長い市中の交差点で、信号機が故障しようものなら、
我れ先にと交差点に突っ込み、交通警官がいなければ
もう身動きがとれぬ状態になる。こうなると正常にな
るまで相当な時間を擁し、結局誰も得をしない。
 腹をくくって傍観者的な目で見ていると、皆がヒステリックになりたて、いたずらにクラックションを鳴らすだけで、進んで整理収拾に当たろうなどという人は皆無だ。
なぜこうなるのか。どうして“ゆずる”という精神構造にならないのか。スーパーや商店でも、こちらが精算中にも関わらず、あとから来た客がご自分の用をその店員に聞いたり、頼んだりする。そして解せないのは、聞かれた店員のほうも金銭の精算中にも関わらず、清算をストップしてその客の応対をしてしまうことだ。両替商などでこれをやられたら、勘定は大丈夫かと、余計な神経を使わなくてはならないし、そもそもこの習慣に誰も疑問符をつけぬのは何故なのか。若いころヨーローパでこれをやった当方は、店員にきつくたしなめられたが、当然であろう。

タクシ-は客を”荷物“と認識か 本当の改革は社会全体で行うべき

運転マナーについてさらに苦言を呈すれば、タクシーの運転手さんの意識はどうなっているのか。客を乗せていても、音楽ガンガン、携帯でぺチャクチャ、たばこは吸う、うがい水を窓から吐きだし、客の承諾なしに相乗り客を乗せたり、すべてのタクシーがそうだとは言わぬが、客を“荷物”とでも思っているフシがあるからお手上げだ。
仮にこうした態度が慣習化され、誰もが「エアコンは別料金」などという不可解な主張に異論をはさまないとしたら、落胆する。
この国の人々が長らく不幸な時代を経験してきた
経緯はよくわかる。そして今まさに民主化が進行中で、自由に羽ばたこうとする気持ちも理解できる。しかし義務を忘れて権利ばかりを主張する自分勝手な社会にだけはなっていただきたくない。
国民一人ひとりが法やマナーを守ることは当然だし、ゆずり合って他人に不快な思いをさせないという意識を持つことだって特別なことではない。
そのためには社会全体でそうした意識と風潮を定
着させ、ふとどき者をたしなめていく習慣をつけていくべきだろう。それが日常化したとき、この国は本当に変革したと判断し、心から賛辞を送ろう。

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