◎第19回 テリー先生ヤンゴン滞在記

「一気通貫、ヤンゴンからバンコクへ」

目次

    若い頃、マージャンがとても流行っていた。一気通貫という1から9まで連続で揃えると点数が付く役があった。ミャンマーの地図を見るたびに、この一気通貫という言葉が頭をよぎった。
    つまり、ヤンゴンから南にまっすぐに伸びる道を、タイとの国境の町コータウまで、陸路で一気に通貫する旅のことだった。もちろん飛行機など使わず、オールバスの旅だ。かつてダウェイからヤンゴンまでバスで帰ってきたことがある。
    しかしミャンマーの友人から、ダウェイから先は、外国人はバス旅行が禁止されているのでは?という忠告を受けた。そこで出発の一週間前に長距離バスのターミナル(アウンミンガラ)に行き、情報収集をする。ミャンマーのバスは数社が同じ時間帯に一斉に出発する。どの会社を選べばいいのか?これが外国人にはよく分からない。まず、価格を聞く。35,000Ksと44,000ksが隣どうしに事務所を構えている(外国人価格でミャンマー人はもっと安い)。

    事務所の前でミカンを売っているおばさんに、どのバス会社が良いか?と聞くと、44,000Ksのバス会社がいいという。価格が高いほうが、バスも良くていいのだろうと納得して、事務所に入る。長距離をバスで旅行するには、良い席を得ることが最も重要であると、今までの経験で分かっている。コータウまで行きたいと言うと、パスポートの提示を求められて、44,000Ksと言われる。切符が買えるのは行けるということだろう。
    一週間前なので、予約席のシートは真っ白だ。運転席のすぐ後ろの1、2、3、4席は予約できない特別席のようだ。坊さんが乗ったりすると、この特別席になる。5番、7番が窓側の席である。5番を予約した。切符を買うことができた。後は一週間、体調管理をする必要がある。アルコールはやめる、特に、ビールは数日間飲まないようにする。夜行バスになるので、水分は取りすぎないことが肝要だ。
    14:00に出発するので13:00には来るように言われたが、13:30に出発した。切符を買った人が集まれば時間に関係なく出発するのがミャンマー方式で合理的だ。20:00にモーラミャンに着く。道路は舗装されていて、さほど大きな揺れがなく、なんとか寝付くことができた。翌日早朝5;00にダーウエイに着く。ここでバスを交換する。西日本のJRハイウエイバスだ。

    ここから南のメイクまでは初めての場所だ。メイク(Myeik)は今はメルグイ(Mergui)と名前が変わったようだが、多くの人はメイクを使用している。車窓は延々とゴム林が続く。
    途中、食事の休憩があり、運転手にコータウまで行くというと、メイクから朝の7:00に高速船でコータウまで行く事が出来ると聞いた。メイクの海には約800の島々があるという。静かで綺麗な海と島々に出会えると期待が膨らんだ。15:30にメイクに着く。運転手が知り合いのオートバイ運転手に、船の予約事務所に連れて行くように話してくれた。ホテルを探して、明日に備えよう。エアコンが無い。4階の安いホテルが見つかった。フランス人とニュージランド、アメリカ人が同じ4階に部屋を取っていた。夕食を共にする。彼らはタイのカンチャナブリからバスでダウェイ経由で来たという。カンチャナブリの国境が外国人にオープンになっている。貴重な情報である。

    食事を終え、ホテルに戻ると船会社から明日の高速船はキャンセルとのメッセージがあった。翌日、船会社に船賃45ドルの払い戻しに行き、切符売りのおばさんにいろいろと聞くと、ダウェイから船が来なかった、明日は必ずくるという。ここは諦めてバス会社に行き、20,000ksで切符を買った。21:00の出発だ。
    時間があるので、メイクの町の前にある島まで船で渡る。500ks。私は高いところが好きなので、島の一番高い山に登ることにした。オートバイと交渉し山の途中まで2000ksでOKだ。

    頂上にはパヤーがあるので、しっかりした山道がある。30分くらいで頂上についた。お坊さんが出て来て、日本人がいた洞穴があるという。子供達と出会い、お菓子を買って、連れて行ってもらうことにした。洞窟、隊、皆木、仙、などの文字が読める。先人がここまで来て、文字を残したことに感慨深いものを感じた。―――――つづく

    <テリー先生>
    本名宮川照男。1949年、平塚市生まれ。早大理工学部卒業後、山武ハネウエル(株)入社。
    1988~1992年、同社米国駐在所長を経て独立。野菜工場設備会社(有)アイエスエス設立。スプラウト栽培を日本に紹介、普及させる。その後、東海大学湘南キャンパス、チャレンジセンター特任職員として「ものつくり」「環境キャラバン隊」などを指導。2012年退官し、2013年5月より、ヤンゴンにて農業視察、調査を開始。
    Yezin Agricultural 大学の学長らと、ミャンマー農業支援について討議を重ね、現在、同大学とヤンゴンのElephant Seed 会社と種子生産についての技術提携を計画中。小型飛行機操縦士免許取得。
    teruomiyagawa@gmail.com

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